銭湯・サウナを愛する中小企業診断士を中心に構成された研究会

新潟県公衆浴場生活衛生同業組合様 講習会

未分類
oplus_0

2026年最初の活動報告として、1月19日(月)に新潟県で開催された講習会の様子をお届けします。

今回のテーマは「公衆浴場法改正を踏まえた事業承継の実例と持続可能な浴場経営」です。令和5年の法改正により事業譲渡の手続きが整備されたことを受け、新潟県公衆浴場生活衛生同業組合様および新潟県中小企業団体中央会様の主催により、新潟市中央区の「クロスパルにいがた」にて開催されました。

当日は、中小企業診断士チームである私たち銭湯サウナ研究会の黒田と、日暮里斉藤湯オーナーの齊藤先生、そして各地で廃業銭湯を再生させているニコニコ温泉株式会社の羽鳥先生の3名が講師として登壇しました。

1. 銭湯業界の課題と「担い手」のミスマッチ解消

まず、東京都浴場組合へのヒアリングに基づいた業界の現状についてお話ししました。

現在、銭湯が廃業する本質的な原因は「担い手不足」だけではなく、ボイラーや配管更新にかかる1億〜2億円規模の莫大な設備投資コストにあります。一方で、東京都の「担い手養成講座」には毎年100名以上の応募があり、銭湯経営を志す熱意ある若者は少なくありません。

こうした状況を打破するスキームとして、資金力のあるオーナーが物件を確保し、意欲ある若者が店長として経営を担う「外部オーナー連携モデル」や、費用対効果の高い「ドライエリア(休憩室・外観・脱衣所)」への優先投資という戦略を提案しました。

2. 親族承継と「超高付加価値」戦略:日暮里 斉藤湯の事例

続いて、家業を継承した日暮里斉藤湯の4代目であり、中小企業診断士でもある齊藤裕一先生が登壇しました。

齊藤先生は、老朽化した木造銭湯を4億円かけてマンション併設型銭湯へリニューアルするという大きな決断を下しました。その際、あえてサウナを設置せず、シルキー風呂や高濃度炭酸泉といった「お湯の品質」に特化する戦略を採用しました。

また、10年継続している「スペシャルレディースデー」では、男湯を開放しバラ風呂を提供するなど、徹底した「女性ひいき」のイベントにより、かつて2割だった女性客を4割まで増加させました。「掃除」と「5つの挨拶」という基本の徹底が、Googleマップの口コミ東京都ナンバーワンという高評価に繋がっています。

3. 第三者承継と「徹底したコスト圧縮」:ニコニコ温泉の事例

最後に、長野県塩尻市の「桑の湯」などを引き継いだニコニコ温泉株式会社の羽鳥心之介先生より、リアルな再生事例が共有されました。

羽鳥先生の手法は、徹底した「低コストでの攻めの投資」です。桑の湯では、高価な濾過器更新ではなく、15万円で作った「かけ流し水風呂」や、25万円の外観ライティング、ロビーへの漫画6000冊設置など、顧客が直接価値を感じる部分に予算を集中させました。

さらに、生き残るための「守り」として、サーモグラフィーを用いた「隠れ漏水」の把握や、ガス代を3分の1に抑えられる廃油ボイラーの活用など、製造現場出身の視点による緻密なコスト管理術が紹介され、参加した組合員の方々からも熱心な質問が飛び交いました。

——————————————————————————–

最後に

今回の講習会を通じて、伝統的な銭湯文化を次世代に繋ぐためには、熱量だけでなく、時代に合わせた経営戦略のアップデートが不可欠であることを再確認しました。

我々「銭湯サウナ研究会」は、これからも「銭湯・サウナを通じて地域を活性化する」という理念のもと、事業者の皆様を全力で支援してまいります。

講習会にご参加いただいた皆様、そして設営にご尽力いただいた関係者の皆様、誠にありがとうございました!

oplus_0
タイトルとURLをコピーしました